2022/12/13
お金や名誉があっても幸せになれるとは限らない
仕事柄、社会の潮流にはアンテナを張っている方だと思います。
情報収集の方針としては(どちらかといえば苦手な)読書だけではなく、マスを知るためにあえてTV番組だったり、youtube、Twitter等もよく見ています。
マスを知るために・・・とかカッコイイ事言いましたが単純にyoutubeが好きです。
blogはあまり周回していないのですが、ビジネスメディアBooks&Appsの執筆陣は個性的で大変好みなのでよく見ており、今回また面白い記事がありました。
「内容を簡単に述べると、メチャクチャ手術が上手でそのお陰で社会的な名声も得ていたイケイケDr.が、歳を重ねて能力が低下し、認知症にもなって周りから誰もいなくなっていったというお話である。」
筆者である高須賀さんも医師なので共感が深かったのでしょう。
終の棲家になるはずの老人ホームで、いわゆる「性格が悪い」と大切にしてもらえないという例をもとに以下のように述べています。
「つまりである。性格が悪いまま人生を突っ走っている人間は、物凄く描け金の高い賭けをやっているのである。」
これは幸福の資本論(橘玲著)で書かれていた人生を豊かにするために必要な資本「金融資本」「人的資本」「社会資本」を引用してみると
このDrは「金融資本」も「人的資本」も潤沢であったが「社会資本」を育ててこなかった、ただのお金持ちという例に当てはまります。
「社会資本」とは人間関係や繋がりのことで幸福は「社会資本」からしか生まれないと橘氏は言っています。
人間関係や繋がりは、現役時代は人的資本や金融資本の力でさもあるかのように感じてしまうかもしれませんが、最後は性格だと高須賀氏は書いています。
今回引用させていただいたお二人の著者は概ね同じこと言っており、私も大変共感するものがありました。
昨今のFIRE(Financial Independence, Retire Early:経済的自立と早期リタイア)ブームにもFIREこそが人生の目標であり幸福であるかのような雰囲気に違和感を持っていました。
お金(とその原資となる人的資本)だけでは決して人は幸せになれないと私も感じるところがあるからです。
お金は人生の道具であり主役は私たち人間です。道具は便利なものですが、どこまでいっても道具でしかあらず主役にはなりません。
プリンストン大学のアンガス・ディートン教授(2015年にノーベル経済学賞を受賞)は年収7.5万ドル(約1,000万円)を超えるとそれ以降は、年収と幸福度の相関があまり見られないとの研究結果を発表しています。
もしかしたら家族・親族・友人・コミュニティーとの繋がりを末永く円滑に維持するための経費としての「お金」が私たちには必要で、お金と同じくらい大切なのは良い性格を作っていく・・・周囲の人を大切に、人の自尊心に配慮する等の事かもしれませんね。
この記事を書いたのは「梶原真由美」